介護・医療

新卒のうちに知っておくと武器になる!療法士における教育の大切さ

新卒だからこそ、教える立場の考え方を知っておく必要があります。

その理由は「自分自身の臨床を分かりやすく整理できる」ことにあります。
しかし指導や教育を専門的に学んだ経験が少ない人が、ほとんどなのではないでしょうか。

この記事は、新卒から教育のことを知り、自分の臨床あるいは患者指導に役立てていただくために作成しました。

この記事はこのような人にオススメ!

新人教育をまさに今受けている人

先輩療法士によく注意される人

教育とは何なのか、興味がある人

臨床実習指導者を任された人



教えるときに知るべきこと

教育とは何?

療法士になるために学校教育を受ける立場であった私たちにとって、教育することを考えることは難しくて当然です。

教育は「後輩指導」をイメージしがちですが、日々臨床で働いていると患者に対して普段おこなっていることが、まさに教育であることに気づきます。

教育を考える上では「どのような方法で教えるか「どのような形で相手を評価するか」という2つの視点を持つと、整理がしやすくなります。

①方法

教育の方法は主に3つあり、指導者が一方的に教えていく「他者決定型」と教わる方が主体的に学ぶ「自己決定型」、そしてその中間の「相互決定型」があります。
以下に、3つの教育方法の例を挙げます。

臨床現場において…

「他者決定型」:先輩療法士の介入場面を見学する

メリット…「何が分からないかが分からない」状態から、疑問を持つきっかけを作ることができる。

デメリット…表面上の理解になり、分かったつもりになりやすい。

「自己決定型」:自分が実際に患者に対して介入する、自分で調べ物をする

メリット…経験することで、自信を持つことができる。

デメリット…努力の方向性を間違えてしまうと、評価されない。

「相互決定型」:先輩療法士とのディスカッション

メリット…お互いの意見を知ることで、新たなアイディアや信頼の構築ができる。

デメリット…教育を知らないと、意見の押し付けになり恐怖心が芽生える。

これら教育方法には、それぞれメリットデメリットがあることを理解し、臨機応変に方法を変えていく工夫が必要になります。

②評価

教育を受けた側も教育をした側も、それぞれが評価を受けることで教育の質を検討することができます。

特に臨床場面においての評価は「診断的評価」「形成的評価」「総括的評価」があります。
以下に、3つの評価の例を挙げます。

「診断的評価」:最初に状況を判断するための評価。新卒療法士に対して、どの程度の知識や技術があるのか、接遇やコミュニケーション能力はどうか、などを評価すること。

「形成的評価」:学習状態を判断するための評価。日々関わる中でのフィードバックなどを通し、伝えたことをどの程度理解しているのかを評価すること。

「総括的評価」:目標達成の程度を判断するための評価。どのような療法士になりたいのか、長期的な目標に対しての達成度を評価すること。

このようにどのような形で相手を評価するかについては、最初の状態に対しての評価、関わる中での成長に対する評価、目標の達成度に対する評価があります。

評価をすることは大切ですが、何のための評価でどの段階の評価をしているのかあらかじめ明確にしておかないと、適切な評価ができなくなります。


教育する上でのポイント

自分自身の臨床を整理すること

臨床における教育は、簡単に言えば「自分の関わり方を伝えること」です。

患者に対して自分が何を意識して、どのように声をかけて何をもって改善とするのか。それを伝えることが、新卒の方々に対しての教育そのものになるのです。

しかし自分の関わり方を言語化することは、容易ではありません。
患者の変化というのは、視覚だけでなく聴覚でも触覚でも感じ取りながらみていくものです。言葉でうまく表現できない、微妙な変化だってあるでしょう。

それでも教育を考えるのであれば、言語化できることにこだわるべきです。言語化することが、自分自身の臨床を理解するためには最も良い方法と考えています。

ここが特に新卒の皆さんに、力を注いでいただきたいところです!
自分が患者に対して何をおこなったのか、言語化できるようにしておきましょう。

伝えるための手段

とは言え、言語化できること全てが万能である訳ではありません。
例えば歩行分析などは、言葉で長々と説明するよりも実際の映像を見てもらった方が、相手の理解を得られやすいです。

自分自身の臨床を理解するためには言語化が大事ですが、相手に理解してもらうことを考えた場合は、様々な工夫が必要です。

その工夫の例を、以下に挙げます。

視聴覚:患者の歩行を、実際に見てもらう。

議論:歩容に対して、意見交換をする。

実践:歩行介助を、実際におこなってもらう。

模倣:患者の歩行を、実際に真似して歩いてみる。

文献:患者の歩行と、同じ傾向の記載がある文献を紹介する。

これらの方法を用いることで、より相手に理解してもらうことに繋がりますし、あらゆる伝え方ができることも自分自身の武器になっていきます。


失敗と恥の積み重ね

教育について、簡単ではありますが紹介をしてきました。

新人にとっては何もかもが初めてのことばかりで、緊張感もあるでしょうし漠然とした不安を抱いている方々も多いでしょう。

「失敗をするなら、新人のうちにしておきな」などと言われることもあるでしょうが、実際には失敗と恥を積み重ねた先に成長があります。

私も新人の頃は、歩行訓練中に患者を転倒させてしまったり、介助した時に患者の服を破いてしまったりすることがありました。
でもその経験があったからこそ「転倒しないためにはどうしたらいいか?」「いや、そもそも転倒することが悪いことなのか?」「服を掴まずに、介助できる方法はないか?」と考えるきっかけを得ることができました。

その結果、転倒を未然に防ぐための環境作りや、転倒が悪いわけではなく躓いた際の姿勢制御をどう作っていくかが大事であること、重心移動に合わせ運動力学を意識して誘導をすれば、力はいらないことなどを学ぶことができました。

失敗や恥があるからこそ成長できると思えば、恐れず臨床に臨むことができます。

 

この記事が、自身の成長や患者に対する関わり方の参考になれば幸いです。

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。







ABOUT ME
ともぞ〜。
ともぞ〜。
介護支援専門員/理学療法士 病院や施設で高齢者と関わる仕事をしております。 健康が大事と言われておりますが、健康ってなんだろう?そう疑問に感じていました。その健康という言葉を、少しずつ紐解きながら今何ができるのかを考えています。 そういった中で得た経験について、講座という形でまとめています。