介護・医療

ケアマネジャーが知っておきたい「リハビリテーション」の考え方とアセスメントの視点

担当する利用者の足腰が弱くなってきた時や転倒が増えてきた時などに、リハビリテーションを検討するケアマネジャーは多いかと思います。

しかし実際にリハビリテーションを利用するとなると、主治医やリハビリテーション専門職との連携が必要になった際、どのようなことを共有すれば良いか分からない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、リハビリテーションの考え方を再確認し、リハビリテーション専門職がどのように利用者と関わっているのかを知っていきましょう。

リハビリテーションを知るメリット

「リハビリをしましょう」という提案に、根拠を持つことができる

ただ運動することがリハビリではないことに、気づくことができる

リハビリテーション専門職から何を聞けば良いか分かる

この記事はこのような人にオススメ!

デイサービスでの機能訓練との違いがよく分からない人

リハビリテーションのことが分からず、なんだか専門用語もあって聞きづらいなと感じている人

リハビリって言うけど、実態がよく分かっていない人

リハビリテーションとは?

教科書的には、『「リハビリテーション(Rehabilitation)」とは、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)から成り立つ言葉である』と記載があります。

この「適した、ふさわしい」という状態は、決して元の状態に戻すという意味ではなく、その時の心身に合わせて生活を再構築していきましょう。という意味があります。

リハビリテーションを理解する上でのポイントは、「疾患そのものを対象としているのではなく、それによる障害を対象としている」ということです。

リハビリテーションの考え方が広まる前の医療は、疾患の予防や治療が主な目的であり、その後遺症としての障害に対しては無関心であり、無力とされていました。
しかしリハビリテーションが普及すると、障害(後遺症)があってもまだまだやれることがある。という考え方が徐々に広まっていきました。

このようにリハビリテーションは医療での治療的側面と、障害を持ってどのように生活をしていくかという側面と、両方の考えを持ち合わせています。
リハビリテーションをさらに細かく分類すると、医学的リハビリテーションと社会的リハビリテーションに分けられます。

医学的リハビリテーション:
主に機能障害と能力障害のレベルに対して関わる

社会的リハビリテーション:
社会生活を営む上での障害のレベルに対して関わる

そして、リハビリテーションにおいて最も重要なことは「自立支援」です。
この点については、ケアマネジャーのケアマネジメントと通ずるものがあります。

それを次に紹介していきます。

ケアマネとリハビリ共通の”自立支援”とは?

例えば「自宅でお風呂に入れなくなった」と訴える利用者がいた場合、ケアマネとしては安易に「デイサービスで入りましょう」と提案するのではなく、本人の能力・意向や家族の介護力、住環境などをアセスメントするかと思います。

リハビリテーションにおいても同様で、利用者が自宅でお風呂に入れない場合、それが本人の能力によるものなのか、環境面なのか、はたまた意欲なのかを評価します。
そしてリハビリテーションでは「ICF」を用いて、本人と本人を取り巻く全てのプラス面とマイナス面を分析し、優先順位を考えながら改善に向けた介入をおこなっていきます。

ICF(国際生活機能分類)とは?

障害や疾患に関係なく、全ての人の健康状態の問題点を抽出するために考えられたもの。
以下の図のように、それぞれの要素を単独で考えるのではなく相互作用していると捉えることがICFの特徴。

ケアマネジメントをしていると、どうしても「できないこと」に目が向きがちになりますが、リハビリテーション専門職は「できること」「工夫すればできるようになること」の分析に長けています。

ケアマネジャーは、リハビリテーション専門職と「できること」「工夫すればできるようになること」は何か、情報を共有していくと良いでしょう。
本人の持っている残存能力、潜在能力を十分引き出すためにも、ケアマネジャーとリハビリテーション専門職との連携は必須と言えます。

リハビリテーションにおける目標

リハビリテーションをサービス内容に位置付けたとして、ケアプランの長期目標や短期目標をどう設定して良いか悩む人は多いかと思います。

「リハビリテーションをすることで、何がどう改善するのだろうか?」ケアマネジャーの立場では、なかなかイメージしづらいものです。

目標を考える上で大事なことは、そもそもリハビリテーションというのは、延々と続けるものではない」ということです。
利用者によっては、長期的に継続的に関わる必要のある場合もあるかもしれませんが、ある程度の期間をもって終了することを意識して関わるべきです。

よってケアプランの長期目標や短期目標は、終了することを見据えどのような状態になっている時点を終了とするかを、まずは目安でも構わないので具体的に決めることです。

「自宅でお風呂に入れなくなった」と訴える利用者

長期目標:3ヶ月後には、1人で転ぶことなく2日に1回の入浴ができる

短期目標:動作方法の指導を受け、1ヶ月後には浴室段差の上り下りや、浴槽を跨ぐことが声かけのみでできるようになる

このような目標設定ができるようにするためには、ケアマネジャーは通所リハビリテーションあるいは訪問リハビリテーションをサービスに位置付ける前に、利用者に対して十分な説明をおこなう必要があります。

現状何が問題となっていて、リハビリテーションに何を期待するか。そしてリハビリテーションを終了した後、どのような生活ができるようにするのか。
これらをケアマネジャーが十分理解してから利用者へ提案をしないと、気づけば1年2年…延々とリハビリテーションを繰り返すことになってしまいます。
延々と繰り返すことが悪という訳ではないですが、利用者の目標意識が薄れリハビリテーションに対するモチベーションが低下する危険性があるのです。

そのためケアマネジャーは、利用者に必要なことはリハビリテーションなのか単に運動なのか、この点をはっきりさせておく必要があります。

 

リハビリという言葉は便利で、利用者につい言ってしまいがちですが、リハビリテーションの考え方は非常に幅広く、そして奥が深いです。

ケアマネジャーとしてはリハビリテーションの考え方を理解し、自立支援の姿勢をもって関わっていくことが必要と考えています。

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

ABOUT ME
ともぞ〜。
ともぞ〜。
介護支援専門員/理学療法士 病院や施設で高齢者と関わる仕事をしております。 健康が大事と言われておりますが、健康ってなんだろう?そう疑問に感じていました。その健康という言葉を、少しずつ紐解きながら今何ができるのかを考えています。 そういった中で得た経験について、講座という形でまとめています。