介護・医療

ケアマネジャー1年目に知っておきたい【守秘義務】の違反について

近年の情報技術の発達やSNSの普及により、個人の情報が簡単に拡散できてしまう今の社会。

ケアマネジャーは、利用者宅で利用者や家族に関する情報を、見たり聞いたりする職種です。

それらの情報を、例えば安易に職場でペラペラと話してしまうと、その行動は守秘義務違反に引っ掛かってしまう可能性があります。

今回は、守秘義務とはどういうものなのか、違反するとどうなってしまうのかを整理し、ケアマネジャー1年目に失敗しないための知識をお伝えします。

守秘義務とは?

介護保険法での義務

一般的に守秘義務とは、職務上知り得た秘密を他人に漏らしてはいけない、正当な理由なく個人情報を開示してはいけない。ということを指します。

介護保険法でも守秘義務について明記されており、特にケアマネジャーに関しては介護保険法第69条の37で、以下の記載があります。

介護支援専門員は、正当な理由なしに、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。介護支援専門員でなくなった後においても、同様とする。

ケアマネジャーは、利用者についての基本情報や医学的情報、家族の経済状況など、他人が知り得ないような詳細かつ膨大な個人情報を入手できる立場にあります。

直接自宅に入り、アセスメントという名目で個人の情報を聞き出すことができるため、常に守秘義務と意識した関わりが必要になってきます。

運営基準での義務

居宅介護支援事業所としての運営基準においても、守秘義務について明記されています。

第23条
・指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員その他従業者は、正当な理由なく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
・指定居宅介護支援事業者は、介護支援専門員その他の従業者であった者が、正当な理由なく、その業務上知り得た利用者またはその家族の秘密を漏らすことのないよう、必要な措置を講じなければならない。

秘密保持や個人情報の取り扱いについては、各事業所で作成している「重要事項説明書」「居宅介護支援契約書」などに、必ず明記されています。

ケアマネジャーが利用者と契約の説明をおこなうときに、秘密保持や個人情報の取り扱いについての説明を徹底する必要があります。

1年目のうちに「重要事項説明書」と「居宅介護支援契約書」に何が記載されているかを熟読し、自分が読んで分からないことは先輩等に確認しておくようにしましょう。

利用者から質問された時にすぐ答えられないと、信頼関係を結ぶことが難しくなってしまいます。

守秘義務を違反したらどうなるの?

ケアマネジャーが利用者や家族の秘密を漏らしてしまうと、介護保険制度の根幹である「尊厳の保持」を崩すこととなります。

利用者や家族の秘密を漏らすことは、ケアマネジャー自身が罰せられるだけでなく、所属する居宅介護支援事業所にも重大な影響が及びます。

ではどのような処罰が下るのか、以下に整理します。

ケアマネジャーの登録消除

秘密保持義務に違反した場合、都道府県知事は規定により介護支援専門員の登録を消除することができます。

ケアマネジャーに対する罰則

ただ登録を消除されるだけでなく、規定により1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処することとされています。

例えば、ファミレスで友人と担当利用者のことを話していて、ちょうど後ろのテーブルにその利用者の家族がいて訴訟でも起こされたら…考えただけでもゾッとしますね…

居宅介護支援事業者に対する勧告、命令等

市町村長は規定により、そのケアマネジャーの所属する居宅介護支援事業者に対して、期限を定めて必要な措置をとるよう勧告することができます。

居宅介護支援事業者の指定の取り消し等

市町村長は勧告だけでなく、指定の取り消しや、期間を定めてその指定の全部もしくは一部の効力の停止をすることができます。

では、何に注意すれば良いか?

ケアマネジャーの秘密保持は義務ですが、一方マネジメントする上で情報共有は欠かせません。

一番大事なことは、個人の情報を何のために使用し、どのような方法で漏洩を防ぐのか十分に利用者や家族へ説明した上で、同意を得ておくことです。

サービス担当者会議においては、目的の範囲内で必要最小限の開示にとどめ、関係者以外には決して漏れることがないよう細心の注意を払いましょう。

特にFAX送付時には、うっかりFAX番号を間違えて送ってしまう可能性があります。
不安であれば誰かと一緒に送り、ダブルチェックをしてもらいましょう。

また、実際に利用者から「これは、ケアマネさんだけに伝えとくけど…」なんて話をされるかもしれません。

しかしそれがチームで共有すべき情報である場合、チームの人への伝え方次第でそのチームの人が良かれと思って、拡散してしまう可能性があります。

そのような時は、チーム内で「本人がケアマネさんだけに伝えとくけどと言っていたので、皆さんから本人へは言わないように」などと、情報の扱い方を詳細に決めましょう。

日々業務をおこなっていると、どこまでが個人の情報の範疇なのか分からなくなることがあります。

認定調査をおこなう機会がある場合、細かく情報を把握しようとして、ついデイサービスの事業所名などを書いてしまう人もいますが、これも個人を特定できてしまう情報のためNGです。

何か情報を入手したら、それが個人の情報になるのか、共有はどこまでの範囲にするべきなのかを常に考えるようにしていきましょう。

 

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

ABOUT ME
ともぞ〜。
ともぞ〜。
介護支援専門員/理学療法士 病院や施設で高齢者と関わる仕事をしております。 健康が大事と言われておりますが、健康ってなんだろう?そう疑問に感じていました。その健康という言葉を、少しずつ紐解きながら今何ができるのかを考えています。 そういった中で得た経験について、講座という形でまとめています。