介護・医療

【ハラスメント】介護現場で生じやすいものとその原因について

ハラスメントをはじめ、暴力や過度なクレームというのは、介護職で働く人にとっても他人事ではありません。

利用者を尊重するあまり、ハラスメントがあっても「高齢だから」「病気や障害があるから」などと、介護者が我慢するような状況が起こっている可能性があります。

さらに「介護のプロなんだから上手く対処しなさい」と、利用者からのセクハラと上司のパワハラとの板挟みになり、悩む人もいるかと思います。

ですが、一番大事なのは自分自身を守ることです!

国際的に見ると、国際労働機関が2019年6月21日に、職場での暴力やハラスメントを全面的に禁止する初の国際条約を採択しています。
ハラスメントの内容や対象者に関して、今後も幅広く捉えていく風潮が主流になっていくことが予想されます。

ハラスメントを正しく理解し、自分が被害者にも加害者にもならないようにしていきましょう。

この記事はこのような方にオススメ!

パワハラ、セクハラで現在悩んでいる人

何がハラスメントになるのか知りたい人

管理者であり、ハラスメントを防ぐ立場にある人

何がハラスメントになる?

ハラスメント(harassment)とは「嫌がらせ、いじめ、迷惑行為」のことを指します。

加害者の意図とは関係なく、被害者に不快感を与えたり、精神的・肉体的苦痛を与えたりするなど、不利益を与える行為がハラスメントになることがポイントです。

厚生労働省が2019年3月に報告している「介護現場におけるハラスメントに関する調査研究」によると、例えばデイサービスにおいて、2018年の1年間に受けたハラスメントの内、身体的暴力は67.9%、精神的暴力は73.4%、セクシャルハラスメントは49.4%であったとのことです。

さらに同報告では各サービス提供事業者において、セクシャルハラスメントの経験は概ね5割以下であるものの、身体的暴力や精神的暴力は7〜8割と高い水準であることも報告しています。

ハラスメントの種類

主に職場で生じやすいハラスメントについて、以下に紹介します。

パワー・ハラスメント
役職や人間関係で優位な立場にある者が、常識的な業務の範囲を超えて苦痛を与える。

セクシャル・ハラスメント
性的な嫌がらせ。「女性だから」「男性だから」と、性別で容姿や能力を決めつける行為は”ヘンダー・ハラスメント”と言うことがある。

マタニティ・ハラスメント
妊娠や出産、就業時間や産休育休に関する、否定的な言動や嫌がらせ。

カスタマー・ハラスメント
利用者や家族が、各サービス提供事業者に行う暴言や暴力、クレームや長時間の拘束など。

これらハラスメントの悪質性によっては、傷害罪・暴行罪・脅迫罪・強要罪・名誉毀損罪・強制わいせつ罪など、現行の法律で刑事責任を追及することができる場合もあります。

ハラスメントはなぜ起こる?

ハラスメントの原因を、加害者と被害者のそれぞれの立場で考えてみたいと思います。

加害者から見たハラスメント

ハラスメントには、相手を攻撃し排除する力が働きます。

この力は、加害者に対し以下のような心理的安心感を与えます。

◯自分は多数派であるという安心感
◯上下関係をはっきりさせ、権力を獲得したいという安心感
◯自己肯定感が高まるという安心感

つまり、加害者がハラスメントをおこなってしまう理由には、相手に苦痛を与えたいという心理ではなく、安心感を得たいという心理が働いていることが考えられます。

加害者側に罪の意識がない場合が多いのは、自身が安心感を得るための行為であることが予想できます。ここに問題の深さが垣間見えますね。

利用者や家族のクレームの背景

クレームはサービスの質を高めるための良いきっかけになることもありますが、過度なクレームでは、ただの強要になる場合もあります。

過度なクレームの背景には、以下のような要因があります。

◯「お客様は神様」の誤信
◯定年退職した高齢者の権威を取り戻す矛先
◯貧困や孤独からくるストレスのはけ口

あまりにも独りよがりな要因ではありますが、ここで「ただのクレーマー」と片付けてしまうのではなく、利用者や家族の背景を理解した上で慎重に関わることも大切です。

過度なクレームを紐解いていくと、実は適切な指摘である場合も潜んでいるからです。

被害者から見たハラスメント

では、加害者は誰に対してもハラスメントをおこなうでしょうか?

実は、ハラスメントを受けやすい人がいます。
それは『真面目で謙虚な人、自分に自信がない人』です。

このような人は、実際にハラスメントを受けても「なぜ自分が被害を受けたのか?」「自分の何が悪かったのか?」と、自分のおこないを反省する傾向にあります。

【加害者の行為→被害者が反省→加害者が安心感を得る】
この流れが、より加害者の行為を助長させてしまいます。

しかし実際には、被害者側に問題があることは少ないです。

【加害者の行為→被害者が反省→加害者が安心感を得る】この流れをなくすために、今後も条約や法律が強化されていくことでしょう。

最後に

冒頭でも触れましたが、ハラスメントは被害者にも加害者にもなり得るものです。

それはハラスメントに対する無自覚、相手の心情や言動に対する無知、無意識的な差別が根底にあると言われています。

まずは自分たちが知らないことがまだまだ多いということを自覚し、何を知る必要があるのかを把握することから始めると良いです。

曖昧であったことも、今後はハラスメントとして具体的に明記されてくる可能性がありますので、今後の世の中の流れには注目していきたいですね。

 

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

ABOUT ME
ともぞ〜。
ともぞ〜。
介護支援専門員/理学療法士 病院や施設で高齢者と関わる仕事をしております。 健康が大事と言われておりますが、健康ってなんだろう?そう疑問に感じていました。その健康という言葉を、少しずつ紐解きながら今何ができるのかを考えています。 そういった中で得た経験について、講座という形でまとめています。